吹奏楽もぐら
 

私の音楽歴
小学校6年生
(その1)

 6年生になった。詳しいいきさつはわからないが,その年は6年生の器楽クラブが音楽発表会に出ることになっていた。私は,また器楽クラブに参加した。そして,念願のコントラバスを弾くことになった。やった曲は「歌劇『バグダッドの太守』序曲より(ボワエルデュー作曲)」だった。これまた,聴いてみるとよく小学生がやったなあと感心してしまうような曲だ。不思議なことに,主旋律はよく覚えているのだが,コントラバスパートはほとんど覚えていない。本当にやったのだろうか……(^_^;)
  まちがいなくやったと言い切れるのは,忘れられない思い出があるからだ。
 市内小学校音楽発表会が島田市民会館で開かれた。そこでこの曲を演奏したのだが,この時,私はものすごくアガってしまったのだ。当時の私の身長だと,コントラバスの弓を持って右手を降ろすと,ちょうど弓の先が床に着いて杖のような感じになった。ものすごくアガってしまった私は震えてしまい,弓を床に着いた右手が大きな振幅でブルブル震えたのだ。自分で震えていることはわかっているのだが,どうしてもとめられなかった。ホールの一番後ろの方の席で聴いていた友人が,「震えているのが見えたぞ」と言ったぐらいだから,そうとう震えていたのだろう。まわりの音も自分の音も聞こえていたのやら聞こえていなかったのやら,客席もステージの照明で明るくなっている前の方だけボウッと白くなっているだけで,あとは何も見えていなかったような気がする。もちろん,どんな演奏をしたのかは一切記憶にない。
 そして,ステージで「アガる」という経験は,これが最後になった。それ以降,何度もステージに上がることはあったが,緊張感はあってもアガることはなくなってしまった。
 話は変わるが,コントラバスは左手で弦を押さえて音程をとるのだが,当時の私は左手の中指と薬指を揃えて,その2本の指だけで全ての音を押さえていた。どんなに早いパッセージでも,その揃えた2本指を動かして押さえていた。人差し指と小指は使わなかった。当然,左手は指板の上を高速で行き来することになる。正しい左手の使い方は,人差し指,中指,小指をそれぞれ独立させて押さえるのだ。独立と書いたが,実際には,小指で押さえるときには人差し指,中指,薬指も押さえていることになる。文字では説明しきれないので,Yahoo!あたりで「コントラバス」で検索して,演奏している写真を見てほしい。
 この2本指を揃える押さえ方はもちろん5年生の時の先生から教わった。小学生の華奢な手では正しい押さえ方はできないだろうという考え方だったのだと思う。しかし,私は正しい押さえ方を知ることもなく,中学校でコントラバスを弾くときにもこの押さえ方をしていた。正しい押さえ方を知ったのは,実は昨年,島田交響吹奏楽団に入団するにあたって,教則本を買ってからなのだ……(^^ゞ

2004.08.04.(Wed.)